ヒーローメンバーズAAの歴史

 
HERO Members Auto Auction 33年の歴史
地元の声から始まり、困難を乗り越えて成長してきた ヒーロー・メンバーズ・オート・オークションの33年にわたる物語をご紹介します。
それは地元の声から 始まった。

株式会社ひろの創業者である渡邊宏会長は、不動産会社の経営者でした。

平成3年(1991年)、比企郡玉川村(現ときがわ町)に広大な住宅建設用の土地を取得。しかし、人口の減少が顕著だった当時の玉川村から、「住宅ではなく、何かビジネスを始めてほしい」と申し出を受けたのです。

渡邊社長(当時)が熟考の末に出した結論は、自動車のオークション会場建設です。


ーなぜ、自動車のオークションだったのか。

当時、まだ自動車のオークション会場は全国に数えるほどしかなく、そのほとんどが地域の自動車協会や大手メーカーが運営している会場でした。しかし、日本車の品質が世界的にも高く評価されており、国産中古車がもっと流通して良いのではないかと考えたのです。

しかしながら、完全に異業種からの参入です。渡邊社長はこれまで車に関して趣味程度の関わりしかなく、これを以ってビジネスとするには業界に対する知識や経験があまりに少な過ぎました。

それでもオークション会場さえ作れば、勝手に車は集まるものと勘違いをしていたのです。現実はまったく違うものでした。


渡邊 宏 現会長

記念すべき 第1回オークション


平成4年(1992年)7月、「第1回ヒーロー・メンバーズ・オート・オークション」が開催されました。

宣伝活動の成果もあり、集まった車はおよそ700台。第1回としてはまずまずの台数です


これから2回目、3回目、それ以降も車はもっと集まるはず。
そう高を括っていたものの、第2回のオークションに集まった車は半分の350台。
3回目はわずか220台でした。

根拠なき期待は焦りに変わり、ここでようやく、渡邊社長と社員たちは現実を突き付けられることになります。


異業種出身の 素人集団

自動車業界といっても、一般消費者向けに新車や中古車を販売するのとオークションではわけが違います。

オークションは売り手(出品店)も買い手(落札店)も、その道のプロばかり。

そのプロたちの間を取り持つヒーロー・オート・オークションは、渡邊社長はじめ異業種出身のいわば素人集団が見よう見まねでスタートしたオークションですからプロたちはすぐにそれを見抜きます。

「これじゃ『ヒーローオートオークション』じゃなく『しーろーとオークション』だ」
 などと揶揄される始末でした。


「何とかしなければならない」。

株式会社ひろは、ヒーロー・オート・オークションの運営について一から考え直す必要に迫られたのです。


とにかく、 車を集めよう

オートオークションは車が集まらなくては始まりません。

豊富な台数の車があってこそ、買い手が集まりますし、買い手が増えれば売り手、つまり車も次々と集まるという好循環が生まれます。
「車を集めるにはどうすればいいのか」。


渡邊社長はこれまで車を出品してくださったことのある会員様のところに出向き、相談を持ちかけました。すると

「車を取りに来てくれれば出してもいいよ」
とのこと。


実は全国にあるオートオークションでは出品店が自ら車を会場に搬入し、売れなかった場合も自ら搬出するというのが一般的です。
しかし出品店にとってみれば、売れるかどうか分からない車をオークション会場に搬入することの負担は決して小さくなく、運送会社などに依頼すれば当然費用が発生します。

渡邊社長は、車を集めるにはこれしかないと考え、社員総出で1台ずつ、無料で車を回収するようになったのです。


社運をかけた 無料納車サービス

しかし、1台の車の回収するのに社員2名の人手が必要になる、効率の悪い作業でした。

そこで、社員の間から「車を5台積める大型のトラックを用意してはどうか」という意見が出て、購入することになりました。

ところが、トラックは用意したものの、肝心のドライバーがいません。そんな中、「私が運転する」と名乗り出たのは、渡邊社長でした。
渡邊社長はペーパードライバーでしたが、大型自動車免許を持っていたのです。
こうして社長自らトラックを運転し、オークションの出品車両を無事に回収。

「ヒーローは車を無料で引き取りに来てくれる」という情報は数多くの出品店に広がり、

毎回コンスタントに500台を超える車が集まるように。

そしてこのことが後の子会社であり、専属の運送会社である「有限会社あんしん物流」の設立につながります。


社長の必死な姿に 社員も呼応。

とにかく必死でした。
社長自らトラックを運転し、奔走し、同業者から業界について学ぶ。
その姿に社員たちも応えるようになりました。

全社を挙げてヒーロー・オート・オークションを軌道に乗せ、成功させるための知恵を出し合い、努力を重ねました。

第1回から7年目のあるオークションの日、ヒーロー・オート・オークション会場には

約2000台の車が集まりました。

「よくやったね」。そう声をかけてくださったのは、かつて「しーろーとオークション」といっておられた方々。
あのときの言葉が糧となったのだと、私たちの心は感謝でいっぱいになりました。


2025年、 新体制へ。

「株式会社ひろ」の設立、そして「ヒーロー・メンバーズ・オート・オークション」のスタートから33年が経ち、おかげさまで年間約50回、毎週オークションを開催し、毎週約700台、多い日には1000台以上の車が取引されるまでになりました。

株式会社ひろは経営体制をさらに強化し、さらに皆様にご満足いただけるオークション運営に邁進してまいります。

今後ともよろしくお願いいたします。




左から、石黑泰信社長、 渡邊宏会長、小河達人事務局長